【ReOPA特別イベント】 当事者の「働く」について考えよう! ~就労支援の現場から~を開催しました

スタッフのナオです。

11月27日(日)にオンラインにて【ReOPA特別イベント】 当事者の「働く」について考えよう! ~就労支援の現場から~を開催しました。

これまでも何度か開催している就労イベントですが、今回も講師に就労移行支援・就労定着支援事業所「ビルド神保町」の施設長 柴田 泰臣さんをお招きしました。柴田さんは就労移行支援事業所に10年以上従事し、これまで様々な障害をお持ちの方の就労、定着をサポートしてこられました。「働く」ことに関しては、こころトークでも毎回挙がるテーマですので、今回の就労イベントでより深く、柴田さんからお話を聞くことができ、とても貴重な時間となりました。

【トークセッション】

まずは柴田さんとスタッフのゆまさんによるトークセッションにて、就労に関する様々な問題について、柴田さんからお話いただきました。

・就労移行支援について

利用者の多くは主治医、福祉サービス、デイケアの知り合いからの紹介やインターネットで検索して来られる方が多いそうで、中には就労移行支援を利用することに抵抗がある人もいるそうです。また、オープン就労かクローズ就労、どちらで就労するかを悩んでいる方が多いようです。

・障がい別(精神、発達、身体、知的)の就職後の定着率

発達障がいが一番定着率が高く、身体、知的と続き、精神障がいが一番定着率が低く、入社して半年以内で辞めてしまう人も多いそうです。ただ、精神障がい者でも就労移行支援を利用している人は定着率が高いようで、その理由としては、今現在の辛い状況を相談できる環境にあるからだそうです。

・休み方が分からない人が多い

仕事が辛い状況にある人に「無理せず休んでもいいよ」と伝えても、休み方が分からない人が多いそうで、会社を休んでも仕事のことを考えてしまい、体は休めていても、頭は全然休めていない状態のようです。やはり真面目で一生懸命な方が非常に多いようですね。

・アイメッセージ(自分を主語に伝える)

職場で周りの人が仕事を頑張っていたり、残業していたりすると、自分が辛い状態であってもそれを伝えるのは、なかなか難しいですよね。ただ、長期的に働くことを考えると自分が今現在、辛い状態であることを正直に伝えることはとても重要だそうです。

【グループワーク】

次に2グループに分かれて、参加者の皆さんから現在の就労に関する悩み、不安、問題等を挙げていただき、全体でシェアしました。

「先輩からいろいろ言われて辛い状態が続いており、上司に相談するが対応してくれない」

「(休職中)人間関係が良くない職場なので、転職しようか迷っている」

「(復職に向けてリワーク中)定年まであと少しなので、復職後のモチベーションをどうするか、自分との折り合いのつけ方を悩んでいる」

「フルタイムで働いているが仕事に行きたくない日があり困っている」

「昼休みの過ごし方で悩んでいる(雑談で何を話せばいいか分からない)」

「1人で過ごすことが多く人間関係に悩んでいる」

「仕事内容が合っていないと感じることがあり、続けるかどうか迷っている」

様々な声が挙がりましたが、やはり人間関係で悩んでいらっしゃる方が多い印象を受けました。健常者、障がい者を問わず、退職理由の1位は人間関係とのことです。

【ワークショップ】

次に簡単なワークショップを行いました。

柴田さんからは「ごきげんを大事にする」というアドバイスをいただき、実際にごきげんな状態だと、どんないいことがあるかを想像しながらワークを行い、しばらくすると参加者の皆さんからは、たくさんのポジティブな声が挙がりました。

さらに「人生の質=何をするか×どんな心でするか」ということを教えていただき、柴田さんは「どんな心の状態でするか」が非常に大事だと仰っていました。確かにワークを通じて、心の状態がどれだけ自分自身に影響を与えるかを実感しましたね。

また、結果だけにこだわると不機嫌になりやすいので、過程を大事にすることを教えていただきました。結果の多くは自分でコントロールすることはできませんが、過程を一生懸命やるか、いい加減にやるかは自分で選択できるとのことです。

【柴田さんへの質問タイム】

最後に参加者の方から柴田さんへの質問の時間を設け、各質問に対して、柴田さんからとても丁寧で分かり易いアドバイスをいただきました。参加者の方の質問は下記になります。

「何かをしたいが何をしたらいいかが分からない」

「就労移行支援事業所はどう探せばいいのか」

「正社員登用の話があり、正社員になるか契約社員のままでいくか迷っている」

「(休職中)どのような状況であれば、復職してもよいか」



今回の就労イベントも非常に濃い内容で、いろいろと参考になる話や様々な気づきがあり、「働く」ことについて、改めて考えるいい機会となりました。

就労イベントは今後も定期的に開催していく予定ですので、興味のある方は是非ご参加いただければと思います!

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!!

~ReOPA レオパ~      <うつ病や生きづらさで苦しんでいる方の自助グループ>

うつ病やうつ状態で苦しんでいる方、 生きづらさを感じている方に寄り添う 自助グループです。 主に東京で活動しています。

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