特別イベント~医師―患者コミュニケーション~を開催しました
10月4日(日)に特別イベント~精神科医の先生と一緒に考えよう~を開催しました。
精神科における医師―患者コミュニケーションというテーマで、精神科医の熊倉陽介先生をお招きして、共同意思決定とや強制的に医療を受けない権利などについてお話いただきました。
ReOPAにとって、精神科医の先生をお呼びして医療の分野のテーマでイベントを開催するのは初めての試み。企画から準備まで手探り状態でしたが、とても興味深いテーマで、会としてもワクワクしながら準備を進めました。
当日は普段ReOPAに参加されない方や遠方の方など多くの方にご参加いただき感謝!
ReOPAの説明や注意事項などお伝えした後、早速熊倉先生のお話へ。
ちょっと玄人向けと言うか難しい内容の部分もありましたが、先生は時折笑いを交えながらスライドを用いて楽しく分かりやすくお話して下さいました。
先生は本当に多方面で色々な活動をされているのですが、きっかけとなったのはバレーボールの大会前にで足を怪我してしまい、整形外科にかかった体験があるとのことでした。
藁にもすがる思いで行った病院で、医師に「大会前の骨折ね。よくあることだね。」と軽く言われて、自分の気持ちなんて全くわかってもらえない状況に絶望し、「医師なんて!病院なんて二度といってやるか!」と思ったそう(笑)そんな中で医師生活を長く続けていらっしゃるとは・・(笑)
共同意思決定という概念は、広まってきてはいるけどまだまだ浸透しきれていない状況。
当事者は知っているけど、医師の方が知らないということもあるそう。共同でやるけどリスクと責任は一緒に負っていく、お互いに価値観を話し合う、元々意見は一致しないという前提で進める まずそこを共有する、など興味深い話がたくさん聞けました。
また、「障害の医学モデル」と「障害の社会モデル」というお話もとても興味深かったです。
先生はホームレス支援の活動もされており、それを交えたお話も。医療につながらないと受けられない支援がある、支援を受けることの条件として医療の介入がある、と。精神科の世界にもつながるお話でした。
ステップアップモデルの支援の中でトラウマ体験を繰り返し、再びホームレス化する、というお話もありました。
内容盛りだくさんで興味深いお話。皆さん熱心に聞いていらっしゃいました。
その後、5グループに分かれて、グループワーク。先生の話を聞いての感想や医師とのコミュニケーションで困っていることなどをシェアしました。
その後、各グループで話した内容を全体で共有。それぞれ色々な意見が出たようで、時間をフルに使って発表していただきました。
このような考えがない病院で、どのようにして自分が関わっていけるのか?
一人で病院へ行くのはハードルが高いので第三者がサポートして立ち会ってくれるシステムがあるといいのでは?
患者側にも知識がないと誤診や情報のなさに気付かないのでは?・・など様々な意見が出ました。
「共同意思決定」と言っても、薬の量まで患者に決めさせるのはただの丸投げではないのか?医師の本来の責任を患者に渡している場合もあるのでは?という疑問も。
診療時間が短い!話を聞いてくれない!主治医に希望を伝えられない!というのは、多くの皆さんの共通事項で、精神科あるあるなんですよね・・。
最後に先生への質問タイム。チャットで書いていただいたのですが、本当に多くの質問をいただきました。全部は取り上げられず・・取り上げられなかった方ごめんなさい!
時間の許す限り、先生に一つずつ丁寧にお答えいただきました。
中にはこれは当事者の意見も聞きたいと質問者と直接対話される場面もありました。
オンラインだと双方向の対話がしづらいのが悩ましいところ・・。次回はオフラインでリアルな場でやり取りしたいな~と思いました。
本当に多くの意見や質問が出て時間が足りないくらい。あっという間の3時間でした。
改めて大きなテーマだなと感じ、様々な立場の方と様々な視点で話し合うことの大切さを感じました。
先生も、「一緒に考えて動いて訴えて少しずつシステムを変えていくことが必要」とおっしゃっていました。
私たちも引き続き、このテーマについて考え続けていきたいです。そして、皆さんの声や思いを社会に届けていきたいと思います。
そして、当事者だけでなく、今回のように医師や専門家の方も一緒に考えていく機会をもっと作っていきたいと思いました。
ご協力くださった熊倉先生、ご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました!
本当に充実したイベントになりました。このようなイベントは今後も開催していきたいな~と思います!
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