「ReOPA特別イベント」~ 当事者の「働く」について考えよう!~を開催しました

スタッフのダイです。

残すところ今年も残り1か月となりました。皆さんにとってこの1年はどのような年になりましたか?私にとって、この1年は無職から始まり、就労移行支援施設に通い、現在では初めてとなる障害者雇用として会社に就職した。長かったようで短いような、そんな不思議な1年でした。

ReOPAにとって恒例となる就労イベントですが。今年もビルド神保町の施設長である柴田 泰臣さんを講師としてお招きして、オンラインにて当事者の「働く」についてのイベントを開催致しました。


就労移行支援施設について簡単にご説明すると。

主に障害者の方が就労の為に利用する施設のことで

面接対策や履歴書の作成

職場の人間関係を上手にするための考え方

元気な自分を維持するためのワーク 等々


様々なことを勉強出来る場所です。

柴田さんは10年以上の間、様々な障害をお持ちの方の就労と定着をサポートしてこられた方で、今回のイベントも経験豊富な知識をユーモア交えて分かりやすく説明して下さいました。

今回のイベントの流れは大きく分けて3つ

1.就労する上での不安や障害者雇用に関する疑問点を柴田さんに聞いてみる質疑応答

2. 森田療法から学ぶ ネガティブな気持ちも自然な気持ち?

3.ミラクルクエスチョン~もし奇跡が起きるとしたら(ブリーフセラピー)


その内容について振り返っていきたいと思います。



1.就労する上での不安や障害者雇用に関する疑問点を柴田さんに聞いてみる質疑応答

様々な質問がありました!どのような質問が挙がったかというと

・投薬による薬の副作用を皆さんはどのようにコントロールしているか

・ピアサポーターとしての就職で、他に障害者の方が居なくて横のつながりがない

・契約の更新が止まるのが不安。どのように更新していけば良いか

・障害者雇用の勤務時間数の増やし方

・障害者雇用を検討していて、どのような就労移行を選ぶべきか

・再就職にあたり、自身の休職期間についてどのように答えれば良いか

・主治医が就労移行に関して乗り気ではない

・人間関係で悩んでいる 等々


全体としてまとめると、やはり人間関係や人との繋がりの点で不安に感じている方は多く。

そして、苦労されている方が沢山いらっしゃいました。

柴田さんの言葉で、人と関わりを持つ際に「自分から壁を作らない方が良い。そして、1人の人を頼りにしていると、失った時の損失が大きく。サードプレイスの存在は重要」という言葉がありました。

人には家、友人、職場、趣味の仲間等様々なコミュニティーがあり、1か所に集中しすぎると、その場所を失った際のダメージが大きくなってしまう為、様々な場所に憩いがあると心にもゆとりができると思いました。


次に勤怠の継続について「しっかりと働かなければならない、いち早く出世しなければならない」という人間の心理は当然あるものだけれども。本来の自分の業務能力や体調を加味していくことも重要であると仰っていました。自分に無理をして自分の首を絞めるより、少しずつ成功を積み重ねて信頼を得る方がお互いにとって結果的にプラスなのではないかと思いました。



2. 森田療法から学ぶ ネガティブな気持ちも自然な気持ち?

皆さんにとってネガティブな気持ちはどのようなイメージですか?後半はこのネガティブな気持ちに対するワークを実践してみました。


人間である以上、ネガティブな気持ちを抱くのは当然のことであって、それを「無くそう」「消さなければ」として無くならない、消えないで余計に焦ったり辛くなったりしてしまう。

そういうことはしない方が良い。ネガティブな気持ちも自然な気持ちとしてそのままにしておいた方がいい。


こう唱えたのは東京慈恵医科大学の初代精神科教授の森田正馬です。


さらに森田は、ネガティブな気持ちにはコインの表と裏のように表裏一体となった「生の欲望」があると考えました。


そして実際にワークとして行ったのは自分自身の悩みに対するネガティブな気持ちの裏側は何なのかを探るワークを行いました。


悩み例

「今度の仕事でも、以前の仕事のときのようにミスをしたり、嫌な上司から怒られたりするのかな。嫌だな・・・」


↓ここのネガティブな気持ちの裏の、なりたい自分を探してみると・・・


「大きなミスをしないように働きたい。上司に怒られたりせず、安心して働きたい。」


このように自分のネガティブな気持ちから、こうなりたい!という気持ちが出てきました。



3.ミラクルクエスチョン~もし奇跡が起きるとしたら(ブリーフセラピー)

最後のワークではあなたに奇跡が起こるとして、先ほどの状況が改善されます。

その奇跡とはなんなのでしょうか。


先程の悩みを例にすると

「大きなミスをしないように働きたい。上司に怒られたりせず、安心して働きたい。」


↓ここで奇跡がおこります


いつも通り仕事を頑張っていたら、通りすがりに先輩が「いつも頑張ってるね」と声を掛けてくれた。


奇跡が起こっていたとして、自分が望む奇跡に気付けるかは以下の要素が大切になります

・自分なりにその状況を作り出そうとしているか

・小さな目標をスモールダウンさせて、目標に近づけているか

・些細な雑談や人の症状声掛けや人間関係を意識できているか


目標があったとして、それがあまりにも大きすぎると達成が難しくなってしまうので、一歩一歩着実にステップアップさせていくのが良いことが分かりました。

今回の就労イベントも内容の濃い時間となったと思います。ReOPAスタッフと柴田さんが事前の打ち合わせで予想していた質問回答集の予想をはるかに超える内容に、自分としてはどう答えるのかハラハラしていましたが。そこは流石の柴田さん。しっかりとご回答頂けて、参加者の皆さんの期待に応えた質疑応答をされていました。

実は私が今年利用していた就労移行支援施設はビルド神保町で、実際に柴田さん始めスタッフの皆さんにお世話になっておりました。


働く前の仕事の探し方にも色々な方法があると思いますが、自身の良い所を再確認して新しいお仕事に挑戦したい!という方も。紹介会社等をうまく活用してより良い条件の会社に就職する!という方も。

まずは自身にとって無理のないステップを選択できると良いと思いました。


ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!

~ReOPA レオパ~      <うつ病や生きづらさで苦しんでいる方の自助グループ>

うつ病やうつ状態で苦しんでいる方、 生きづらさを感じている方に寄り添う 自助グループです。 主に東京で活動しています。

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